スズキが100kg〜120kg軽量化へ!? 最新技術がもたらす変化と整備士の視点

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最近のクルマ、重くなっているのをご存知ですか?

こんにちは。対馬モーターサービスです。

最近の自動車は、ハイブリッドシステムや安全運転支援システム(ADAS)などの装備が充実し、さらにEV(電気自動車)化も進んでいるため、昔のクルマと比べるとかなり車体重量が増えています。「最近の軽自動車、昔の普通車くらい重いんじゃない?」と感じることもありますよね。

そんな「クルマの重量化」の流れに対し、自動車メーカーや部品メーカーから、大胆な軽量化を目指す技術が相次いで発表されています。今回は、最新の軽量化技術の動きと、それが私たちのクルマ選びやメンテナンスにどう影響するかを、整備士の目線からお話しします。

スズキが目指す「100kg〜120kgの軽量化」

まず大きな話題となったのが、スズキの取り組みです。スズキは2025年9月に開催した「技術戦略説明会2025」において、次世代技術の方針を発表しました。

そこで注目されたのが、過去の3代目アルトを徹底研究し、なんと「100kg〜120kg」もの軽量化を目指すという非常に野心的な目標です。スズキは「小・少・軽・短・美」という独自の哲学を掲げており、昨今の過剰な重装備化に待ったをかける姿勢を明確に示しています。

クルマが100kg以上軽くなると、エンジンの負担が減り、燃費(電気自動車なら電費)が劇的に向上します。また、タイヤやブレーキパッドなどの消耗部品の減りも遅くなるため、維持費の面でも一般ドライバーに大きな恩恵があると言えます。

エンジン部品も「アルミから樹脂へ」

自動車メーカーだけでなく、部品メーカー(サプライヤー)側からも軽量化へのアプローチが進んでいます。

ドイツの部品サプライヤーであるマーレは、「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」にて、独自の新しい技術を発表しました。それは、これまでアルミ等の金属で作られていたエンジン周辺の部品を「アルミから樹脂へ」と置き換え、30%の軽量化を実現するというものです。

この樹脂化技術は、今後国内外の市販車へ段階的に採用されていくと予想されます。金属を軽くて丈夫なプラスチックに置き換えることで、グラム単位での軽量化を積み重ねているわけですね。

整備の現場から見た「軽量化・樹脂化」のリアル

これだけ聞くと「軽くなるのは良いことばかりだ」と思うかもしれません。ですが、クルマを修理・整備する側から見ると、また違った景色が見えてきます。

これまでアルミなどの金属で作られていた部品が樹脂(プラスチック系)に変わると、我々整備士は**「熱劣化」と「トルク管理(ボルトを締める力加減)」**に、これまで以上に気を使うようになります。

うちの工場でもよくあることなんですが、最近のクルマは軽量化のためにバンパーや内装、エンジンルーム内部の樹脂部品が増えています。樹脂部品は経年劣化で硬化しやすく、金属と同じ感覚でボルトを締め付けると「パキッ」と割れてしまうことがあるんですよね。クリップやツメも折れやすかったり、ジャッキアップの位置を少しでも間違えるとパネルが変形しやすかったりと、昔の「金属の塊」だった時代のクルマよりも、圧倒的にデリケートに扱う必要があります。

マーレの30%軽量化技術のように、エンジンという高温になる過酷な場所の部品まで樹脂化が進むと、数年後、古くなった時のメンテナンス難易度は確実に上がると推測されます。整備工場としても、より慎重な作業と新しい知識が求められる時代になっています。

まとめ

スズキの100kg〜120kgの軽量化目標や、マーレの30%軽量化技術など、自動車業界の最前線では「軽くすること」への情熱が注がれています。これにより、クルマはよりエコに、そして維持しやすくなっていくでしょう。

一方で、軽量化されたクルマは物理的な強度や取り扱いにおいて非常にシビアになっています。一般のドライバーの皆さんがご自身でエンジン周りをDIY感覚で触ったりする際も、うっかり樹脂製部品に寄りかかったり、無理な力でボルトを回したりしないよう十分に注意してください。今後の車選びにおいては、「最新技術で軽くなっている分、デリケートな部分もある」ということを頭の片隅に置いておくと、愛車と上手に長く付き合えるはずです。

出典

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