自動車保険のロードサービスとJAFの違いは?整備士が教える使い分け

📁 🚗 整備の現場

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こんにちは。対馬で自動車整備工場『対馬モーターサービス』を営んでいます。

お客様からよく、「自動車保険にロードサービスがついているから、JAFは解約していいよね?」とか、「ロードサービスってどこの会社が一番いいの?」といった質問をいただきます。いざ車が動かなくなった時の不安、すごくわかります。山道や海沿いでのトラブルが多い対馬のような離島・地方だと、レッカー対応の良し悪しはまさに死活問題なんですよね。

今回は、自動車保険に付帯するロードサービスとJAFの違いや、整備士の目線から見た「保険会社選びとロードサービス」のポイントについて解説します。

決定的な違いは「車」にかけるか「人」にかけるか

現在、多くの自動車保険には無料でロードサービスが付帯しています。それなら保険特約だけで十分と思いがちですが、ここには根本的な違いが存在します。自動車保険は基本的に「契約しているその車」にかけるものですが、JAFは「人」にかかるサービスです。

うちの工場でも、バッテリー上がりや脱輪などでレッカー搬送されてくる車をよく受け入れますが、現場感覚から言うと「保険のロードサービスだけで十分」と思い込んでいると、いざという時に困るケースがあるんですよね。

例えば、同僚や友人の車を代わりに運転したり、旅行先でレンタカーを借りたりしている時にトラブルが起きたとします。この場合、自分の車の任意保険(ロードサービス)は「契約車両以外」には原則として発動しません。一方で、JAFは「人」にかかるため、自分が運転、あるいは同乗していればマイカー以外でもカバーされます。ここは現場でも明暗が分かれるポイントだと感じています。

整備の現場から見た「保険会社との相性」

車のトラブルが起きたとき、保険会社のロードサービス(レッカー手配など)を利用することになりますが、実は保険会社によってレッカー対応の質や整備工場との相性にかなり差があるのをご存知でしょうか。

一部のダイレクト型(ネット型)保険会社の中には、レッカーの無料搬送距離が短すぎたり、レッカー業者とのネットワークが弱くて到着までに何時間も待たされるケースがあります。特に地方だと、提携業者が遠方からしか来られないという事態も起こり得ます。

また、事故で車が大きく破損した際の「修理代の払い渋り」や「自社の指定工場へ強引に誘導される」といったトラブルも、我々整備工場側からするとよく耳にする話です。お客様としては「行きつけの工場で直したい」と思っているのに、保険会社から指定工場を強く勧められるケースですね。安さだけで保険を選ぶと、いざという時の現場対応や、修理を任せる工場選びの自由度が狭まってしまうこともあるので、更新の際はこうした点も頭の片隅に置いてみてください。

ロードサービス利用と保険の等級ダウン

ロードサービスを利用したい時、「これを使うと保険の等級が下がって保険料が上がるのでは?」と心配されるお客様も少なくありません。

結論から言うと、バッテリー上がりやガス欠でのロードサービス・レッカー搬送「のみ」の利用であれば、保険を使っても等級ダウンにはならずノーカウントの扱いになるのが一般的です。安心して利用してください。

ただし、事故を起こして「ロードサービスだけでなく車両保険を使って修理もする」となると等級が下がります。この等級ダウンには、大きく分けて2種類がありますので覚えておいてください。

  • 1等級ダウン:飛び石でのガラス割れ、盗難、火災、台風による浸水、落下物との接触など(自分に非や防ぎようがない不可抗力と判断されやすいもの)。
  • 3等級ダウン:対人賠償、対物賠償、自損事故(電柱にぶつけた等)、当て逃げなどによる一般車両保険の使用。

事故修理の見積もりを出す際、修理代が保険料アップの差額分(3等級ダウンによる値上がり分)より安ければ自費で直し、高ければ保険を使う、というシミュレーションを我々整備士と一緒に考えるのが賢い選択です。

EV普及で進化するロードサービス特約

近年はEV(電気自動車)の普及に伴い、ロードサービス事情も変わりつつあります。ガソリン車なら、万が一燃料切れ(ガス欠)で立ち往生しても現場にガソリンを持ってきてもらえばすぐ動かせます。ちなみに路上でのガス欠立ち往生は、最悪のケースでは道路交通法違反と見なされかねないので、どちらにせよロードサービスをすぐに呼べるようにしておくことが大切です。

しかし、EVの「電欠」は現場でチャージして完了というわけにはいかず、原則として充電スポットや整備工場までレッカー搬送する必要があります。このため、メーカーや保険会社も独自の対応を始めています。

たとえば、2023年4月25日には、BYD Auto JapanとSBI損害保険が、BEV(バッテリー式電気自動車)向けの専用自動車保険「BYD e自動車保険」の説明会を開催しました。こうしたBEVならではの特約やロードサービスがますます充実してきています。

まとめ

自動車保険のロードサービスとJAFは「車にかかるか」「人にかかるか」という明確な違いがあり、ライフスタイルによってどちらが必要か、あるいは両方必要かが変わってきます。実は「JAF+保険」でさらにサポートが手厚くなる優遇制度を設けている保険会社もあります。

車検や保険更新のタイミングで、ご自身の契約のレッカー対応距離や補償範囲などを一度見直してみてはいかがでしょうか。

出典

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