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こんにちは。対馬モーターサービスの整備士です。
車を運転していると、自転車やバイクとの事故は本当に気をつけたいトラブルですよね。多くの方が「事故=車体がぶつかること」と思いがちですが、実は「物理的に接触していなくても事故になるケース」があるのをご存知でしょうか。
本日は、少し見落とされがちな「非接触事故(誘因事故)」について、整備士の目線も交えながらお話ししていきたいと思います。
ぶつかっていなくても責任が生じる「非接触事故」とは
朝日新聞社が運営する『交通事故の羅針盤』の記事によると、「非接触事故(誘因事故)」とは、「車両同士、または車両と歩行者が物理的には接触していないものの、一方の車両の挙動が原因で、もう一方が転倒したり壁に激突したりして発生した事故」を指します。
例えば、自分の車が一時停止を無視して脇道から少し飛び出してしまったとします。その車に驚いた自転車やバイクが急ブレーキをかけ、バランスを崩して転倒してしまった場合などがこれに該当します。
同記事によると、実際に接触がなくても、事故の原因を作った車両の運転者には、通常の交通事故と同様に以下の責任が生じるとされています。
- 民事上の損害賠償責任
- 警察への報告義務
- 負傷者の救護義務
つまり、「自分の車にはぶつかっていないし、相手が勝手に転んだだけだろう」とそのまま現場を立ち去ってしまうと、後からひき逃げや救護義務違反として重い処罰を受ける可能性があるのです。
現場で直面する非接触事故のリアル
整備の現場で見ていると、この「非接触事故」というのは、意外と皆様の身近にあるトラブルだと感じます。
車同士、あるいは車と自転車で実際にぶつかっていれば、車に傷がついたりバンパーが凹んだりしますよね。そうなれば自走できずにレッカーで運ばれてきたり、すぐに修理のご相談をお受けすることになります。
しかし、非接触事故の場合はご自身の車には一切傷がつきません。そのため通常の板金塗装修理にはならないのですが、うちの工場でも「自転車を転ばせてしまって警察沙汰になったから、ドラレコの映像をスマホに保存してほしい。やり方がわからない」と、青ざめたお顔でご来店されるお客様がいらっしゃるんですよ。
同業者の知り合いに聞いても、「接触してないから大丈夫だろうとその場を離れたら、後日警察から連絡が来てひき逃げ扱いになりかけてしまった」といった怖い話を耳にすることがあります。自転車やバイクは四輪車に比べて不安定な乗り物ですから、車のちょっとした動きが「誘因」になって転倒してしまうことは十分にあり得るんですよね。
客観的な証拠となるドラレコ、メンテナンスしていますか?
このような非接触事故において、とくに過失割合の決定時などは「言った、言わない」の泥沼になりがちです。相手との距離感や速度、当時の状況を証明するために、ドライブレコーダーの映像が非常に重要な客観的証拠になると『交通事故の羅針盤』の記事でも述べられています。
だからこそ、整備士として読者の皆様に強くお伝えしたいのが、「ドラレコの定期的なメンテナンス」です。
事故の時に証拠となるはずのドラレコですが、いざ映像を確認しようとしたら、「SDカードの寿命やエラーで録画されていなかった」というトラブルが、現場では本当に多いんです。SDカードは常に上書き保存を繰り返しているため、消耗品なんですよね。
いくら高性能なドラレコをつけていても、肝心な時に録画されていなければ意味がありません。オイル交換やタイヤ交換で工場に車を持っていくタイミングや、月に1回洗車をするタイミングなどで、ぜひ「ドラレコが正常に動いているかのチェック」や「SDカードのフォーマット(初期化)」を行う癖をつけてみてください。
まとめ
今回は「非接触事故(誘因事故)」についてお伝えしました。物理的に接触していなくても、車の動きが原因で相手が転倒すれば、法的な責任を問われる可能性があります。
もしそういった場面に遭遇してしまったら、決してその場を離れず、負傷者の救護と警察への連絡を必ず行ってください。そして、ご自身の運転の正当性や当時の状況を証明してくれるドライブレコーダーがしっかり機能するよう、日頃からのメンテナンスを心がけていただければと思います。
なお、実際の過失割合などは個別の事案によって大きく変わります。万が一事故に遭われた場合は、ご加入の保険会社や弁護士などの専門家にしっかりとご相談くださいね。