「保険で全額直らないの!?」車両保険の免責金額設定の落とし穴を整備士が解説

📁 🚗 整備の現場

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こんにちは!長崎県対馬市で自動車整備工場『対馬モーターサービス』を営んでいる整備士です。いつもブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は、車検のタイミングなどで見直すことも多い「自動車任意保険」について、少し踏み込んだお話をしようと思います。特に、保険料を抑えるために設定される「免責金額(自己負担額)」についてです。実はこの免責金額、しっかり理解していないといざという時に痛い目を見ることがあるんですよね。

そもそも「免責金額」とは?なぜ設定するの?

自動車保険のパンフレットや更新案内を見ていると、「免責金額 5-10万円」といった表記を見かけることがあると思います。これは簡単に言うと、「事故で車両保険を使う際、指定した金額までは自分で払いますよ」という自己負担額のことなんです。

保険料を少しでも安く抑えたいドライバーの方にとって、あらかじめ免責金額を設定するケースは増えています。損保ジャパンやGAZOOの記事によると、万一の際に5万円や10万円を自己負担することで、毎月の保険料が安くなる仕組みになっています。

ただし、この仕組みを深く理解しないまま契約し、いざ修理に出す段階で「えっ、保険で全額カバーされないの?」と慌ててしまうトラブルが全国の整備現場で多発しているんです。

現場のリアル:うちの工場でもよくあるんです

ここからは現場の整備士目線でお話ししますね。

うちの工場の修理現場でも、免責にまつわる「お客様の勘違い」には本当によく遭遇します。多くのお客様は、「事故が起きたら車両保険で全部直る」と思っていますよね。でも、いざお見積もりを作って私たちが保険会社と協定(修理金額のすり合わせ)を進めると、「〇〇様の契約は免責5万円の設定なので、今回の修理費のうち5万円はお客様にご負担いただきます」と保険会社から伝えられるんです。

そこでお客様に説明して初めて気づかれるケースが少なくないんですよ。特に現場で見ていて気の毒に思うのが、「自分に過失がない事故」でも免責が適用されてしまうことなんです。

例えば、高速道路を走っていていきなり石が飛んでくる「飛び石事故」。フロントガラスが割れてしまい、交換費用が約10万円かかったとします。もしエコノミー型の車両保険で免責金額が5万円に設定されていれば、自分は何も悪くないのに5万円を自己負担しなければなりません。ベストカーの記事でも指摘されていますが、相手が特定できない飛び石のような事故では、「車対車免ゼロ特約」なども対象外となるケースが多いんですよね。

保険を使う前に知っておきたい「等級一覧」の対比

さらに、保険を使うかどうか迷った時に必ず意識していただきたいのが「等級ダウン」の問題です。自動車保険を使えば基本的に翌年の等級が下がり、保険料が上がってしまいます。ここでは、どんな事故で何等級下がるのか、対比してご説明しますね。

3等級ダウン事故(翌年の保険料が大きく上がる)

一般的な事故の多くは「3等級ダウン」になります。

  • 他人の車や物にぶつかった(対物賠償)
  • 他人にケガをさせた(対人賠償)
  • 電柱やガードレールに自分でぶつかった(自損事故)
  • 自分の不注意で車をぶつけ、一般車両保険を使用した場合

これらは運転者の責任が関わるため、ペナルティとして3等級下がる仕組みになっています。

1等級ダウン事故(不可抗力に近い事故)

一方で、自分ではどうしようもない不可抗力に近い事故は「1等級ダウン」で済みます。

  • 飛び石による窓ガラスの破損
  • 車両の盗難
  • 火災や台風・洪水による被害
  • 飛来中・落下中の他物との衝突

「1等級ダウンだから保険を使おう」と思っても、先ほどの免責設定がある場合は、「免責の自己負担額」+「翌年の保険料アップ分」と、実費で修理した場合の金額をしっかり天秤にかける必要があります。私たち整備士は、お客様にこの計算をお伝えして、本当に保険を使うべきかを一緒に考えるようにしているんです。

整備士目線で語る「保険会社と整備工場の相性」

そして、ネット証券や通販型保険を選ぶ際に少し気にしてほしいのが、「整備工場との相性」です。これは私たち整備士しか書けない少しリアルな話になります。

実は、保険会社によって修理代の認定やレッカー対応の柔軟さに結構な違いがあるんですよね。例えば、お客様が懇意にしている地元の車屋で直したいと言っても、保険会社によっては「うちの指定工場(提携工場)で直せば特典が付きますよ」と強く誘導してくるケースがあります。

また、しっかりした修理品質を確保するために必要な部品交換や作業工賃を私たちが請求しても、保険会社によっては徹底的に「払い渋り」をしてきて、なかなか修理に着手できない(協定がまとまらない)ということもあります。事故で傷ついた車を早く直して安心したいのに、保険会社と整備工場の話し合いが難航してしまうのはお客様にとってもストレスですよね。個人的な所感ですが、保険料の安さだけでなく、「事故時の初動対応の速さ」や「工場側とのスムーズなやり取りができるか」という点も、長く付き合うなら見逃せないポイントだと思っています。

違法改造にご用心!「免責事由」というもう一つの落とし穴

最後に、もう一つ注意していただきたいのが「免責事項(免責事由)」です。 先ほどの免責金額とは別に、「こういう条件の場合はそもそも保険金をお支払いしません」というルールのことです。

損保ジャパンの記事でも書かれていますが、法令により禁止されている改造を行った部品に生じた損害などは、免責事項に該当します。つまり、車高を落としすぎたり、規定外のマフラーを付けていたりするいわゆる「不正改造車」は、車検に通らないだけでなく、いざ事故を起こした時に保険金が下りない可能性が高いんです。カスタムを楽しむのは素晴らしいことですが、必ず保安基準の範囲内で安全に楽しんでくださいね。

まとめ

保険料を安くするための「免責金額」の設定は家計に優しい一方で、いざという時の実費負担が重くなるリスクがあります。さらに、ベストカーの記事によれば、契約内容によっては対物賠償にも免責が設定されており、賠償額が免責金額以下だと保険会社が「示談交渉サービス」を行えないこともあるそうです。

この機会に、ぜひご自身の保険証券を引っ張り出して、「免責設定金額」と「免責事由」を確認してみてください。「保険料の節約分」と「事故時の実費負担リスク」のバランスが本当に取れているかを見直すことで、より安心なカーライフが送れるはずです。

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