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相手の「ながら運転」、証拠がないと泣き寝入りになる?
こんにちは、対馬で自動車整備工場を営んでいる『対馬モーターサービス』の整備士です。
最近は対馬の道でも、すれ違う対向車のドライバーさんが下を向いていたり、スマホを片手に運転していたりするのをヒヤヒヤしながら見かけることがあります。いわゆる「ながら運転」ですよね。
もし、そんな「ながら運転」をしている車とぶつかってしまったら。あなたは「相手が前を見ていなかったんだから、相手が100%悪い!」と思うかもしれません。
ですが、交通事故の過失割合というのは、当事者同士の主張だけですんなり決まるわけではないんですよね。「相手がスマホを見ていた」という客観的な証拠がなければ、過去の判例や基準に基づいた一般的な過失割合が適用されてしまい、損をしてしまう可能性があります。今回は、事故の示談や過失割合の実情について、整備士の目線から少しお話ししてみたいと思います。
判例における「ながら運転」の扱い
交通事故の現場では、警察が過失割合(どちらが何割悪いか)を決めてくれるわけではありません。過失割合は、当事者間や保険会社同士の示談交渉、あるいは最終的に裁判で決まるものです。
よく交渉の基準として参照される「別冊判例タイムズ38号」などの実務上の基準によれば、走行中の携帯電話の使用などの「ながら運転」は「著しい過失」とみなされます。この場合、基本の過失割合に対して5〜10%程度の過失割合が加算されるのが一般的です。
たとえば、双方が動いている事故などの場合、基本的には「8対2」や「7対3」といった形で、被害者側にもある程度の過失が問われることが多いです。しかし、相手が「ながら運転」をしていたことが証明できれば、この割合を修正できる可能性があるんですね。
実際、過去の判例の中には、交差点で右折する車がスマホを操作したまま進入し、直進車と衝突したいわゆる「右直事故」において、直進車側の過失がほぼ否定され、10対0や9対1といった割合に近づいたケースもあると言われています。
※もちろん、これらは過去の一例であり、実際の過失割合は事故当時の速度や見通し、天候などさまざまな個別事案によって変わります。トラブルの際は必ず専門の弁護士や加入している保険会社にご相談くださいね。
整備の現場から:証拠がすべてという現実
ここからが、私の現場での経験談になります。
うちの工場でも、事故に遭ってバンパーやフェンダーがベコベコになった車をレッカーで運んでくることがあります。そんなとき、オーナーさんから「絶対に相手が下を向いてスマホを見て突っ込んできたのに、保険会社も信じてくれないんです!」と悔しい思いを打ち明けられることが本当によくあるんですよね。
整備の現場で事故の事後処理を見ていると、過失割合の交渉で泣き寝入りしないためには「客観的な証拠」がすべてだと痛感します。保険会社は過去の判例の基本過失割合をベースに話を進めるので、口頭でいくら「相手がよそ見していた」と主張しても、証拠がなければ「修正要素」として認めてもらうのは至難の業なんですよね。
また、整備士目線でぜひ知っておいていただきたいのが、「自分の車の整備不良」も過失加算の対象になり得るということです。例えば「ヘッドライトが片方切れていた」「タイヤの外側がツルツルでスリップサインが出ていた」といった状態で事故に遭うと、それが原因で事故を避けられなかった(あるいは見落とされた)と判断され、自分に不利な過失割合が加算されるケースもあります。日常点検の大切さは、こういうところにも関わってくるんです。
自衛の要!高画質ドラレコのすすめ
では、理不尽とも言える事故での泣き寝入りを防ぐにはどうすればいいのか。やはり一番の対策は、高画質なドライブレコーダーを取り付けることです。
最近のドラレコは本当に高性能で、フロントガラス越しに相手の車の運転席の様子まで鮮明に記録できるモデルが増えています。相手の顔周りや、スマホを握っている手が映り込んでいれば、示談交渉において決定的な証拠になります。
「うちの車にはもうドラレコついてるから大丈夫だよ」というお客様にもよくお伝えするんですが、ぜひ一度記録されている映像を見てみてください。「画質が荒くて相手のナンバーすら読み取れない」という古いモデルだと、肝心なときに証拠として弱いことがあります。
また、夏の暑さなどでSDカードがエラーを起こしていて、いざという時に「録画されていなかった!」というトラブルも整備の現場ではよく見かけます。2〜3週間に一度はSDカードのフォーマット(初期化)を行い、正常に書き込めているか確認しておくことを強くおすすめします。
まとめ
交通事故は、自分がどんなに気をつけていても防ぎきれない「もらい事故」もあります。「ながら運転」の厳罰化が進んでいても、残念ながらいまだにスマホを見ながら運転している車はゼロになっていません。
万が一のとき、たった1〜2割の過失割合の違いで、修理費用や手元に残る賠償金が大きく変わってしまいます。相手の非を証明できる確実な証拠を残すためにも、解像度の高いドラレコの設置と、定期的なSDカードの点検を心がけてみてください。そしてもちろん、お互いに「ながら運転」は絶対にやめましょうね。
安全運転で、今日も良いカーライフを!