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車検証入れ、ちゃんと確認していますか?
こんにちは!長崎県の対馬で自動車整備工場『対馬モーターサービス』を営んでいる整備士です。いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
車検のたびに必ず更新する「自賠責保険(強制保険)」。皆さん、その証明書が今どこにあるかパッと思い出せますか?実は、この自賠責保険に関して、意外と知られていない重大なルールがあるんです。
今回は、自賠責保険の補償の限界や、万が一の時に困らないための整備士目線での任意保険の選び方について、現場のリアルを交えながらお話ししたいと思います。
現場でよくある「証明書がない!」という事態
整備の現場で車検をお預かりする際、私たちは必ず車検証入れの中身を確認します。うちの工場でお客様の車をお預かりする際にもたまにあるんですが、「あれ?自賠責の証明書が見当たらないぞ」というケースがあるんですよね。
お客様に確認すると、「大切な書類だから、家の引き出しや別のファイルに分けて保管しているよ」と言われることがあります。お気持ちはとてもよく分かるのですが、実はこれ、ルール違反になってしまうんです。
法律上、運転時に自賠責保険の証明書を車内に携帯していないだけでも、30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。さらに、自賠責保険に未加入のまま運転した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるほか、違反点数6点で一発免停の対象となってしまいます。車検切れ=自賠責切れになっていることが多いので、車検の有効期限の管理は絶対です。
自賠責保険の補償には「限界」がある
自賠責保険は、あくまで「被害者の最低限の救済」を目的とした保険です。補償範囲は「相手の死亡・ケガ(対人賠償責任)」に限定されており、支払限度額が法律で定められています。
具体的な限度額は以下の通りです。
- 「傷害(ケガ)」による損害:120万円
- 「後遺障害」による損害:75万円〜4,000万円
- 「死亡」による損害:3,000万円
ここでのポイントは、相手の車や建物を壊してしまった場合の「物損」や、運転者自身のケガ、自分の車の修理代などは、自賠責保険からは一切補償されないということです。実際の事故では賠償額が数億円になるケースもあり、自賠責保険の限度額だけでは到底カバーしきれません。そのため、任意保険の加入が不可欠になります。
約1割の車が任意保険に入っていない現実
ここで、あるデータをご紹介します。2023年度の交通事故件数は30万7,930件(うち死亡事故2,618件、重傷事故2万6,288件)発生しています。そして、任意保険(自動車共済含む)の対人賠償保険の加入率は88.7%となっています。
裏を返せば、「約1割の車は任意保険に入っていない」ということです。もし、自分が被害者になった際、相手が無保険車だった場合、十分な賠償を受けられないリスクがあります。ご自身の任意保険に、人身傷害保険などがしっかり付帯されているかを見直すことが大切です。
整備士目線で見る任意保険の選び方
任意保険を選ぶ際、ネットの口コミや保険料の安さだけで決めていませんか?実は、私たち整備士から見ると、保険会社によって「整備工場との相性」がかなり違うんですよね。
例えば、事故をしてしまった時のレッカー対応の質です。保険会社の指定するロードサービス業者によっては、狭い道が多い地域(対馬のような離島も含め)での対応に慣れていなかったり、工場への搬入タイミングの融通が利かなかったりすることがあります。また、修理代の協定(修理金額の決定)の際、保険会社によっては、安全上必要な部品の交換を「修理で対応できないか」と強く要求してくるなど、いわゆる「払い渋り」の傾向が見られることも正直なところあります。
ご自身が普段お世話になっている整備工場がある場合は、「どこの保険会社だと事故の時にスムーズですか?」と、直接整備士に聞いてみるのも賢い選び方の一つだと思います。
1等級ダウンと3等級ダウンの違い
いざ事故に遭って任意保険(車両保険など)を使う際、等級がどうなるのかも気になりますよね。保険を使うと、基本的には等級がダウンして翌年の保険料が上がりますが、事故の内容によって「1等級ダウン」と「3等級ダウン」に分かれます。
- 1等級ダウン事故:飛び石によるガラスの破損、盗難、火災、台風被害、落下物との衝突など、運転者の過失が少ない不可抗力的な事故。
- 3等級ダウン事故:対人賠償、対物賠償、自損事故(電柱にぶつかった等)、車同士の衝突で一般車両保険を使用した場合など。
修理代が数万円程度で済む場合、保険を使うことで翌年以降の保険料アップ分のほうが高くついてしまう「逆転現象」が起きることもあります。修理見積もりが出た段階で、保険を使うべきか自費で直すべきか、私たち整備士によくご相談ください。
まとめ
今回は自賠責保険の仕組みと、任意保険の重要性についてお話ししました。まずは今日、お車のグローブボックスを開けて「自賠責保険の証明書」が正しく車検証入れに保管されているか確認してみてください。
万が一の事故の際に自分と家族、そして相手を守るためにも、強制保険と任意保険の両輪でしっかり備えておきましょうね。