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こんにちは!対馬で自動車整備工場を営んでいる『対馬モーターサービス』です。いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
対馬のような離島や地方では、農業や漁業、さらには狩猟などの実用車として、荷台のついたピックアップトラックが大活躍していますよね。軽トラも良いですが、悪路走破性や牽引力、そして何より見た目のカッコよさから、普通車のピックアップトラックに憧れる方も多いのではないでしょうか。
そんなピックアップトラック界隈で大きな話題となっているのが、トヨタの新型「ハイラックス」です。今回は、この新型車のスペックを紹介しつつ、整備士の目線から見た「長く乗るための注意点」や「整備現場への影響」についてお話ししたいと思います。
新型ハイラックスはどこが変わった?
約10年ぶりの全面刷新となったトヨタの新型ハイラックスは、2026年5月28日に日本市場で発売されました。価格は498万800円〜550万円に設定されています。
新型のボディサイズは、全長5325mm×全幅1885mm×全高1865mm、ホイールベースは3085mmと、非常に堂々とした体格をしています。フロントマスクの精悍さも大幅にアップし、まさに「新世代ピックアップ」といった印象を受けます。
そして、整備士として一番注目しているのがパワートレインの刷新です。従来の2.4リッターから、「ランドクルーザー70」などにも搭載されている2.8リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジン(1GD-FTV型)へと換装されました。最高出力は204馬力、最大トルク500Nmを発揮し、トランスミッションは6速AT、駆動方式はパートタイム4WDが採用されています。トルクが大幅にアップしたことで、重い荷物を積んだ時の登坂や悪路でも、より余裕を持った走りが期待できそうですね。
【整備士目線1】2.8Lディーゼルと「ちょい乗り」の相性
さて、ここからは整備士目線でのお話です。新型ハイラックスは非常に魅力的な車ですが、地方にお住まいの方が実用車として購入される場合、気を付けていただきたいポイントがあります。
1つ目は、新しい2.8リッターディーゼルエンジンと「乗り方」の相性です。
最新のクリーンディーゼル車には、排気ガスを綺麗にするためにDPF(微粒子捕集フィルター)という装置がついています。このエンジンはトルクフルで頼もしい反面、近所のスーパーへの買い物や、すぐ近くの畑への移動といった「ちょい乗り(短距離・低速走行)」ばかりを繰り返していると、このDPFに煤(スス)が溜まりやすくなる傾向があるんです。
うちの工場でも、ディーゼル車にお乗りのお客様から「メーターに警告灯がついちゃったんだけど!」と駆け込まれるケースがよくあるんですよね。見させていただくと、やはり煤が詰まってしまっていることが多いです。
これを防ぐためには、定期的にある程度の距離を、ある程度の速度(例えばバイパスや走りやすい幹線道路など)で走らせて、マフラーの温度を上げ、システムに溜まった煤を燃焼させる機会を作ってあげる必要があります。車を元気な状態に保つための「運動」だと思って、時々は長めのドライブに出かけてあげてください。
【整備士目線2】5.3m超えの巨体と「整備工場の設備限界」
2つ目の注意点は、その巨大なボディサイズゆえの「整備工場の受け入れ体制」です。
全長5325mmというサイズは、駐車場や細い農道での取り回しに気を遣うのはもちろんですが、私たち整備工場にとっても大きな壁になることがあります。
車検や修理の際、車を2柱リフトと呼ばれる設備で持ち上げます。この時、全長が長く重量もある車体だと、リフトのアームを掛ける位置や前後の重量バランス取りに非常に気を遣うんです。個人経営の小規模な整備工場の中には、スペースの問題やリフトの耐荷重・アームの長さの都合で「うちの設備では安全に持ち上げられないので、お受けできないんです」と断らざるを得ないケースが出てくると思われます。
日本市場において新車で正規販売されている国産ピックアップトラックは、この新型ハイラックスと三菱「トライトン」の2車種が代表的です。どちらも大型化が進んでいますから、購入前には「いつもの車屋さんが、このサイズの車検や修理に対応できる設備を持っているか」を事前に相談しておくことを強くおすすめします。
さらなる黒船?全長5.9mの新型「タンドラ」も
ちなみに、ピックアップトラックの大型化という文脈でもう一つニュースがあります。国土交通省の「米国製乗用車の認定制度」を活用し、米国工場で生産された全長5.9mのトヨタ「タンドラ」が2026年4月2日より一部で国内発売されるという動きも起きています。
全長5.9mとなると、ハイラックス以上に日本の道路事情や整備環境を選ぶ車になります。日本でアメリカンなフルサイズピックアップに新車で乗れるというのは夢がありますが、購入後のメンテナンス体制の確保はより一層重要になってくると言えるでしょう。
まとめ
今回は、新型ハイラックスの魅力と、整備士目線での注意点をお伝えしました。 パワフルな2.8Lディーゼルエンジンと頑丈なボディは、仕事からレジャーまで頼もしい相棒になってくれるはずです。しかし、ディーゼル特有の「ちょい乗りへの弱さ」や、巨大なサイズがもたらす「整備工場の設備限界」といった側面があることも覚えておいてください。 購入をご検討の際は、ご自宅の駐車スペースはもちろん、かかりつけの整備工場へも一言相談してみてくださいね!